ミツバチのキス
おもしろかったー。漫画アクションの新人賞出身だそうです。
読了時に聞いていたのが相対性理論「バーモント・キッス」だったので、あまりの出来すぎ具合に笑ってしまいました。
- 作者: 伊図透
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2009/01/28
- メディア: コミック
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触れた人のことが「わかってしまう」少女……。彼女は、望んで得たわけではない能力が、ある団体の思惑に利用されていることに耐えられず逃亡をはかる。一方、別の“組織”は彼女を諜報活動の切り札として抱え込もうと動き出す……。
特異能力者の孤独を描いた作品となると、筒井康隆の七瀬シリーズなんかが有名どころでしょうか。
他人のことを「わかってしまう」がゆえに傷つかざるを得ない。
知らないってのは幸せだぞ?
人は何かと知りたがるが 相手が見えないからこそのホレたハレただ
認知力の限界あっての心の安寧 恋だって芽ばえる
全てがわかるなんて ろくなこたねぇ
いや…いいんだ
かわいくなんかなくて
一生一人で生きていくんだから
ら、LOVEずっきゅん!
えーと、本作品の特徴としては、触れる/触れないことそのものにサスペンス性がうまれ、視覚的にも緊張感が出てきている事でしょうか。
「水中の魚まで見えるトンビ」「野球(高校野球と、少年たちの野球ごっこ)」「レンズ(監視カメラと天体望遠鏡)」など、モチーフの使い方も見事。
サブタイトルは「kiss me deadly」ということですが、
この衝撃はアルドリッチというよりは、それこそ万田邦敏「接吻」並。
一巻目で話にひと区切りついていますが、今後が気になる作品です。