ミツバチのキス

おもしろかったー。漫画アクションの新人賞出身だそうです。
読了時に聞いていたのが相対性理論「バーモント・キッス」だったので、あまりの出来すぎ具合に笑ってしまいました。

ミツバチのキス 1 (アクションコミックス)

ミツバチのキス 1 (アクションコミックス)

触れた人のことが「わかってしまう」少女……。彼女は、望んで得たわけではない能力が、ある団体の思惑に利用されていることに耐えられず逃亡をはかる。一方、別の“組織”は彼女を諜報活動の切り札として抱え込もうと動き出す……。

特異能力者の孤独を描いた作品となると、筒井康隆七瀬シリーズなんかが有名どころでしょうか。
他人のことを「わかってしまう」がゆえに傷つかざるを得ない。

知らないってのは幸せだぞ?
人は何かと知りたがるが 相手が見えないからこそのホレたハレただ
認知力の限界あっての心の安寧 恋だって芽ばえる
全てがわかるなんて ろくなこたねぇ

いや…いいんだ
かわいくなんかなくて
一生一人で生きていくんだから

ら、LOVEずっきゅん!


えーと、本作品の特徴としては、触れる/触れないことそのものにサスペンス性がうまれ、視覚的にも緊張感が出てきている事でしょうか。

「水中の魚まで見えるトンビ」「野球(高校野球と、少年たちの野球ごっこ)」「レンズ(監視カメラと天体望遠鏡)」など、モチーフの使い方も見事。


サブタイトルは「kiss me deadly」ということですが、
この衝撃はアルドリッチというよりは、それこそ万田邦敏「接吻」並。
一巻目で話にひと区切りついていますが、今後が気になる作品です。